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外壁塗装でひび割れは修復できる?ひび割れの原因や放置しておく危険性も解説

老朽化塗装の知識外壁塗装 2025.11.01 (Sat) 更新

ひび割れは、外壁で発生するトラブルの中では比較的ポピュラーなものです。
そのため、多少のひび割れならば気にせず放置する方もいるでしょう。
しかし、ひび割れは放置しておくと景観が悪くなるだけでなく、外壁自体の寿命が大幅に縮まる恐れもあります。

本記事では、外壁にひび割れができる原因や外壁塗装で行える修理方法などをご紹介します。
外壁のひび割れが気になる方や外壁塗装の塗り直しを検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

外壁に発生するひび割れの概要や発生する原因

外壁にできるひび割れとは、外壁の塗膜、下地、素材自体に生じる亀裂を指します。
ヘアクラックと呼ばれる細かいひび割れから、建物構造に関わるものまでさまざまなレベルがあるため、一概に「ひび割れが発生したから、外壁に重大な問題が生じている」とは言い切れません。
その一方で、放置しておくと外壁の寿命が縮まるものがあります。
ここでは、外壁にひび割れが発生する原因の代表例を紹介します。

経年劣化

外壁にひびができる最も多い理由は経年劣化です。外壁の素材は外気温で多少膨張や収縮を繰り返します。外壁塗装に使われる塗料には多少の伸縮性があり、外壁の素材にあわせて伸び縮みします。
しかし、紫外線、風雨、温度変化、湿気などにさらされることで、外壁材や塗膜が劣化して弾性を失うため、膨張や伸縮する度にひび割れが生じるのです。
経年劣化によって生じるひび割れは細かいものが多いです。
ヘアークラックと呼ばれる特に問題ないひび割れが少し幅広くなったものが多いでしょう。
細かいひび割れがたくさん外壁に生じている場合は、外壁塗装の塗り替え時期の可能性があります。

施工不良

下地処理不足、密着不足、塗装間隔ミス、塗料選定ミス、下塗り不足などの施工不良でひび割れが生じる可能性があります。
特に塗装の際に乾燥時間を守らなかったり、下地の水分を取り切れず塗装したりするとひび割れが生じる可能性があります。
施工不良によってひび割れが生じる場合は、施工後すぐに発生する可能性が高めです。
例えば、外壁塗装を塗りなおした直後に目立つひびが大量に生じ、調べたら施工不良が見つかったというケースもあります。

地震などの振動

地盤沈下や地震、強風、交通振動などの近隣の振動により、建物に歪みが生じると、外壁にひずみが集中してクラックが発生する場合があります。
築年数が浅い建物ほど耐震・免振機能が高く、地震に耐えうる力が強い傾向があります。
その一方で、築年数がたった建物ほど震度5,6程度の地震でひび割れが発生するケースもあるでしょう。
このほか、台風や交通振動などでひび割れが発生するケースもあります。

湿気や水分の影響

築年数が新しく、かつ施工不良でもないのに外壁にひび割れが発生した場合、外壁に湿気が溜まったり壁体内に水分が侵入している可能性があります。
水分は、凍結や氷解で体積が変わるため、素材の膨張・収縮します。
特に、寒冷地の場合外壁内に入り込んだ水分が凍結・氷解しやすいので注意が必要です。

外壁に発生するひび割れの種類

 

ここでは、外壁に発生するひび割れの種類について解説します。
外壁に発生するひび割れの種類によっては、様子見で大丈夫なものと即修復が必要な場合があります。
ひび割れの種類をある程度把握しておけば、判断の役に立つでしょう。

ヘアークラック

幅0.2㎜以下の非常に細かい線状のひびは「ヘアークラック」と呼ばれ、特に問題はありません。
前述したように、外壁は温度や湿度の変化で膨張や収縮が起こります。
外壁塗装に使われる塗料は一定の伸縮性はありますが、新しいものであってもゴムのように完全密着はできません。
そのため、家が建っている場所によってはヘアークラックが発生しやすい場合もあるでしょう。
ヘアークラックが多い場合は微弾性フィラー等で補修する場合もありますが、様子見で住む場合が大半です。
ただし、ヘアークラックが広がったり急に増えたりした場合は注意しましょう。

乾燥クラック・縁切れクラック

乾燥クラックは、モルタル壁や塗膜乾燥収縮に起因するクラックです。補修は比較的容易ですが、下地の乾燥不足など施工不良が原因の場合は施工のやり直しが必要なケースもあります。
縁切れクラックとは、新旧塗装の継ぎ目、塗装の中断部分、施工手順の区切りなどに発生するひび割れです。時間差施工や重ねムラ等の原因によって発生するひびで、大きなひび割れに移行する可能性があります。
そのため、発生が認められたらできるだけ早く修復する必要があります。
仕上げ前の塗装計画や工程管理で防止できるので、外壁塗装を塗りなおす際は業者選びが重要です。

開口部クラック

開口部クラックとは、窓枠や扉など家の開口部の端から、斜めに向かって伸びるひび割れです。建物の揺れや歪みなど経年劣化によって発生するクラックです。
放置すると雨漏りや浸水の原因になるため、早めの修理が必要です。
開口部クラックは家の経年劣化の証でもあるので、発生したらリフォーム時期と考えましょう。

構造クラック

構造クラックとは、建物の基礎・構造体が原因で発生するひび割れです。地盤沈下、経年劣化による建築材の劣化、地震などさまざまな原因があります。構造クラックが発生した建物は早急な修理が必要です。
なお、構造クラックは外壁塗装の塗り直しでは対応できません。外壁塗装を行っている業者による検査で構造クラックが発見されたら、ハウスメーカーや工務店など大規模なリフォームに対応している業者に連絡し、リフォームの計画を立てましょう。

外壁のひび割れを放置するリスク

ここでは、外壁のひび割れを放置するリスクをご紹介します。
ヘアクラック以外のひび割れは、原則として修理が必要です。
できるだけ早く修理をする必要があります。

雨水の侵入による雨漏り・結露リスク

ひび割を放置しておくと、そこから雨水や結露由来の水分が染み込み、壁内部材や下地材が水を吸って劣化・腐食・剥離を起こす可能性があります。
また、壁内に水分が入り込むと天井・壁裏などで結露を起こしたり、屋内へ漏水したりする可能性が高まる恐れもあります。
雨漏りというと雨が降っているときに天井から発生するイメージがありますが、壁内部に入り込んだ水分が、壁からじわじわとしみだしてくるタイプの雨漏りも珍しくありません。
ひび割れから水分が侵入した場合、時間をかけて家を傷めて内壁からしみだす雨漏りにつながる可能性もあるでしょう。
また、カビ・シロアリ・湿気の影響で、室内環境が悪化し、健康被害につながる可能性もあります。

建材の劣化が進み建物強度や安全性が低下する

ひび割れを放置しておくと、そこから入り込んだ水分が家を構築している木部・鉄部・金属下地・鉄筋などを腐食させたり錆を発生させたりします。
木材ならば、カビが生える恐れもあるでしょう。
鉄筋コンクリートの場合は鉄筋腐食 からコンクリートの爆裂(剥離)などを引き起こす可能性もあります。
建物の強度が低下すると、台風や地震が発生した際に大きな被害が出る可能性が高まります。

外壁の劣化による美観低下や補修コストの膨張

ひび割れや補修跡が目立つたてものは、美観がそこなわれて老朽化イメージが強まります。資産価値も低下し、築浅でも売却価格が大幅に下がる可能性もあるでしょう。
また、ひび割れを放置しておくと進行し、補修の範囲が広くなり、修理費用や手間が増大します。
ひび割れがまだ小さいうちに対応することが重要です。
このほか、火災保険・地震保険に加入していても「劣化が進んでからの被害は保証対象外」とされ、保険金が下りない可能性もあります。

ひび割れの補修時期やメンテナンスの目安

ひび割れは、どのような建物でも発生する可能性があります。
一戸建て住宅におけるひび割れの補修時期の目安は以下の通りです。

  • 外壁塗装の塗り直しによって補修できるひび割れ:10~15年に一度の塗り直しで対応
  • ひび割れの早期点検:年に1回程度の外壁点検が理想
  • 幅0.3 mm 以上でのクラックが複数発生下場合:早急に補修
  • 構造クラック・貫通クラックが疑われる場合:専門家・構造診断を依頼

なお外壁の補修や塗装は天候条件を考慮する必要があります。梅雨時や降雪時期などは外壁塗装の塗り直しができず、乾燥不足などのリスクも高まるので注意しましょう。
可能であれば、雨が多い時期や降雪時期の終わりに外壁の検査を行い、春や秋など乾燥して晴天が続く時期に外壁塗装の塗り直しを行うのが理想です。
なお、温暖な地域で雪が降らない場合は、冬の乾燥時期でも5℃以上の外気温であれば塗りなおしができます。
詳しくは、外壁塗装を行っている会社に相談しましょう。
なお、コーキング打ち替えなどひび割れ補修は外壁塗装時期と合わせて行うと効率が良く、コストも下げられます。

外壁のひび割れ補修と外壁塗装の塗り直しについて

経年劣化によるクラックや、外壁の塗装表面に発生したクラックは補修も簡単で、外壁塗装の塗り直しで対応できる場合があります。
ここでは、軽度の外壁に生じたひび割れを補修する方法や外壁塗装の塗り直しの必要性を紹介します。

軽度なひび割れの補修方法

経年劣化によるクラックなど、外壁の表面上にとどまっているクラックの修理方法は以下のとおりです。

  • シーリング(コーキング)充填 ・ 打ち替え
  • 微弾性フィラー擦り込み補修
  • エポキシ樹脂注入法
  • 左官等の下地補強

外壁に生じたひび割れの補修方法は、ひびが下地にまで達成しているかどうかでやり方が異なります。
下地にまで達していなければ、ひびをうめる方法で補修が可能です。
なお、下地にまで達している場合も応急処置的な意味でひびを埋める場合もあります。
下地にまで達している場合は、下地の塗り直しや大規模なリフォームが必要です。
早期に対応すれば、ひびを埋める対応で十分な場合もあります。
どのようなリフォームが必要かは、外壁塗装を行っている業者に外壁の状態をチェックしてもらって決めましょう。

外壁塗装の塗り直しをする必要性とメリット

外壁塗装をやり直すのもひび割れ補修の有効な方法です。
外壁の表面に発生したひび割れを外壁塗装で修理するメリットは以下の通りです。

  • 補修後の密着性・耐久性が高まる
  • 下地補修も一緒にできる
  • 最新の耐候性・耐久性に優れた塗料を採用することで耐久性を高められる
  • 建物の美観を一新し、外観イメージを刷新できる

外壁塗装は単に外壁の塗り直しをするだけでなく、外壁の修理も一緒に行うケースが大半です。
また、外壁塗装に使われる塗料は日々進歩しています。
例えば、耐水性、耐紫外線性、防汚性に優れた塗料に塗り替えれば、美観が保てるだけでなくメンテナンスの頻度も下げられ、長い目で見れば節約になるでしょう。
単に、ひび割れをふさぐだけでなくひび割れを修理した上に、防水性・耐久性の高い塗料を塗りなおすことで、再発を防げます。

外壁のひび割れに関するよくある質問

ここでは、外壁のひび割れに関するよくある質問を2つご紹介します。

外壁塗装の塗り直しでは対応できないひび割れはありますか?

建物の構造由来のひび割れや、地盤沈下などが原因のひび割れは大幅なリフォームが必要です。
ひび割れの原因や種類は、建物を調査すれば分かります。
個人で判断せず、信頼できる業者にチェックしてもらいましょう。

簡単なひび割れの修理や塗り直しならDIYで可能ですか?

応急処置ならば、ホームセンターで販売されているシーリング材などでも可能です。
ただし、ひび割れの修理や外壁塗装の塗り直しは技術や知識が必要です。
近年は家の修繕やリフォームをDIYで行う方も増えていますが、耐久性や見た目を考えれば専門業者に依頼するのが最適です。

まとめ:外壁のひび割れのご相談はいのペンへ

外壁のひび割れは、美観が損なわれるだけでなく家の寿命を大幅に縮めてしまう可能性があります。
放置しておくほど修理に時間と費用がかかるので、下地までひびが拡大しないうちに修理を行いましょう。
いのペンでは、専用のショールームを設けて外壁塗装の塗り直しのご相談を承っております。
まずはご相談ください。